こどもの便秘
こどもの消化機能は未発達のため、便秘になることがあります。乳幼児の便は、体格や食生活・生活環境などのほか、離乳食やトイレトレーニングなど成長段階で排便も変化があり、便秘については判断が難しいことがあります。当院では、便秘外来にてお子様の便秘症状における幅広いお悩みに対応しております。こどもの便秘をそのまま放置すると、腸内細菌叢の状態が悪化し、病状が深刻になってしまいます。また、腸疾患や代謝・内分泌疾患が原因で便秘となるケースや、服薬の影響で便秘となることもあります。お子様の便秘が疑われる場合は、なるべく早く便秘外来を受診してください。
以下の症状がある場合は、お気軽にご相談ください
- 何日も便が出ていない
- 硬くて小さい便が出る
- 便が出るときに、肛門が切れてしまい血が付く
- 排便時に苦しそうにしている
- 普段よりも便やおならのにおいが強い
- お腹が張って、触ると硬い
- 授乳してもすぐに吐いてしまう
- 食欲がない
など
お子様の状態を見極めた治療
お子様の便秘が、何らかの疾患が原因ではないかどうかを判断する必要があります。原因となる疾患がある場合は、その疾患の治療を行います。また、服薬の副作用で便秘が起こることもあります。食事内容など食生活が影響している場合は、水分と食物繊維を意識した食事に改善します。また、便意を我慢してしまう場合は、適切な排便トレーニングを行います。お子様の便秘症状に最適の治療を行うためにも、治療経過をよく観察し、状態を見極めることが重要です。当院では、お子様本人と保護者の方に負担がない治療を心がけております。
当院の治療方針
当院の便秘治療では、お子様本人とそのご家族が、快適に良い便を出せたと思える状態を治療の目標にしております。お子様の排便トレーニングの内容は、症状や年齢によって異なりますが、じっくりと時間をかけて行います。長期にわたってトレーニングすることで、正しい排便習慣が身に着きます。お子様や保護者の方のお気持ちに十分配慮した上で、便秘治療を行っております。お子様の便秘でお悩みや不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
おへその外来
でべそについて
一般的に「でべそ」よばれるおへそは、臍ヘルニアという病気です。腸がおへそから外に突出している状態です。ほとんどの場合では、生後1カ月頃からおへそが外に出てきます。大きさは様々で、大きい物で約3~4cm程のものもあります。お子様が成長するにつれて、自然治癒することがほとんどですが、1~2歳になっても回復しない場合は、手術治療を検討します。
でべその原因
おへそは、お腹の中でへその緒で母体と繋がっていた器官です。また、腸は内側から腹膜・腹壁筋・皮膚の3層で保護されています。生まれた赤ちゃんの腹壁筋が成長発達することで、おへそは自然に閉じますが、腹壁筋が未熟な場合におへそから腸が脱出してしまいます。これが、でべそです。また、こどもが泣いた時やいきんだ時に腹圧がかかって一時的に腸が脱出したでべそは、押し込むと治ることがあります。押し込んでもまた繰り返し出てくるような場合は、医療機関を受診してください。
でべその治療
腸が正常な位置に戻るように圧迫する「圧迫療法」を行います。脱出した腸には、丸めた綿(綿球)を用いて圧迫して腸を戻します。綿球を当てた部分に専用テープを貼って、腹圧がかかっても飛び出さないように処置します。でべその治療は、生後3~4カ月頃まえに始めると、治る確率が高くなります。圧迫療法によりでべそが治らない事もありますが、おへそが出ることを抑える事で皮膚が伸びてしまうと、手術が難しくなることがあります。適切なタイミングで適切な治療を行う事がとても大切な疾患ですので、健診などで指摘された場合は、すぐに当院にご相談下さい。
注意点
でべそを治療せずにそのまま放っておくと、腹壁筋が発達することで脱出した腸が締め付けられます。これを「嵌頓」と言います。嵌頓が起こると、痛みが生じるだけではなく、腸が壊死してしまう恐れがあります。この場合、手術治療が必要となるため、大きな負担となります。手術治療が必要と判断された場合は、連携する専門の医療機関をご紹介しております。早期治療を行うことで、症状改善が図られるため、少しでもおへその膨らみが気になる場合は、当院までお気軽にご相談ください。