発熱外来・隔離室での診療をご希望される患者様へ
発熱外来や隔離室での診療をご希望される方、新型コロナウイルスの濃厚接触など感染力の強い疾患のリスクがある方は、隔離室での診察をご案内させて頂いております。
事前のWEB予約をして頂いた上でのご案内となりますので、WEB予約ページより、「発熱外来・隔離室診療」の予約ページにお進み頂き、受診予約をお願いいたします。
また、ご両親を含めたご家族様複数人での受診をご希望の場合は、予約ページの伝達事項の欄に、受診される患者様のお名前、生年月日をご記載いただくようお願いいたします。
受診について直接ご相談のある方は、お電話にてご相談下さい。
予約された患者様に、受診時のご案内のメールを送らせて頂きます。隔離室は正面玄関ではなく、正面玄関を過ぎた先に直接、隔離診察室のドアがございますので、到着しましたらドアにあるインターホンを鳴らして頂き、スタッフからご案内をさせて頂きます。
発熱外来(感染症・新型コロナウイルス)
当院では、発熱などの症状のある方と、予防接種や健診、感染症状の無い方の待合スペースを分けるなど、お子様、ご家族様が安心して来院できるようなクリニックになるよう様々な取り組みをしております。さらに、クリニック外から直接入れる隔離室も用意しており、他の患者様との接触をなるべく避けて診察を受けたい、新型コロナウイルス感染症との接触歴などがあり、医療機関へどう受診して良いか分からないといった患者様にも安心して受診できるような体制を整えております。発熱や湿疹、胃腸炎症状など心配な事があっても、病院に行くのは怖いと心配な方はまずは当院にご相談下さい。
発熱外来で対応が必要な病気について
① 麻疹・風疹・水痘(みずぼうそう)
乳児期の予防接種の普及により、麻疹・風疹は本邦ではほとんど見られなくなりましたが、水痘(みずぼうそう)は予防接種を受けられたお子様にも時折見られることがあります。
いずれも特徴的な湿疹と発熱などの症状を呈するウイルス感染症ですが、感染力は空気感染といって同じ空間内で過ごすだけでも感染のリスクがあるなど非常に高く、診察時は、個別の隔離室で診察することが望ましい疾患です。特に麻疹と風疹は、日本で遭遇することもほとんどないため、経験のある小児科医でも診断に苦労します。発熱と同時に発疹が見られた場合は、小児科専門医のいるクリニックに相談することをお勧めいたします。
② 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
主に片側の耳の下、耳下腺の腫れと強い痛み、発熱を伴う病気です。こちらも非常に感染力が強く、予防接種が普及した現在でも時折感染の流行が見られます。大半は、耳下腺の腫れのみで自然に良くなりますが、稀に激しい頭痛や嘔吐を伴う無菌性髄膜炎や、精巣炎、難聴などの合併症を起こす危険もあり、慎重な経過観察が必要です。感染のリスクからこちらも隔離室での診察が望ましい病気ですので、おたふく風邪が心配で受診される際は必ず事前にご相談下さい。
③ 新型コロナウイルス感染症
当院では、オンライン診療や感染患者様用の隔離室を用意し、新型コロナウイルス感染が疑われるまたは感染が判明したお子様やそのご家族様の診療にも対応しています。
2019年12月に中国で初めて報告されてから、私たちの生活を大きく変えてしまった新型コロナウイルス感染症は、現在も大小の変異を繰り返して世界各地で流行を繰り返しています。高齢者を中心にワクチンが普及した日本でも、今後しばらくはこの厄介なウイルスによる流行が年に何度か見られる事が予想されます。
私も、小児の新型コロナウイルス入院患者を含め、多くの新型コロナウイルスに感染したお子様を診察させて頂きました。
既に皆様も様々な媒体でお調べされていると思いますが、一般に新型コロナウイルス感染症は小児では重症化することが少ないとされ、実際に多くのお子様は、39度を超えるような発熱や咽頭痛、頭痛や倦怠感などインフルエンザに類似した症状を起こし、およそ数日で回復していきます。
しかし、中には嘔吐や下痢などの胃腸炎症状で脱水になったり、高熱によるけいれん発作を起こしたりするなどして入院治療が必要となるお子様も見られます。ごくまれではありますが、川崎病という疾患に類似した炎症症状や心筋炎という重症な合併症を呈し、集中治療を必要とするお子様も報告されております。こどもはほとんどが軽症だから大丈夫と、安易に判断することはこういった重症な合併症を見逃すリスクがあり、危険な考えではないかと考えています。
コロナワクチンの事なども含めて、新型コロナウイルス感染症についてご心配な事がありましたらいつでもご相談いただければ幸いです。
④ 新型インフルエンザウイルス感染症
小児でのインフルエンザウイルス感染症は、高熱や鼻汁、咳、倦怠感といった症状を主に中心に、時に肺炎や痙攣発作といった合併症や、熱せん妄という高熱に伴って見られる興奮や異常行動といった症状を起こすことがあります。タミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬が広く普及
新型コロナウイルス感染症の流行により、マスクや手洗いなどの感染対策が広く普及した影響か日本ではここ数年、まさに激減したインフルエンザ感染症ですが、海外ではアフリカや中国などのアジアを中心に流行が見られる地域があります。今後、ワクチンの普及などにより海外からの検疫が緩むようになれば、いずれまた日本でもインフルエンザ感染の流行は起きると思われます。
特に従来のウイルスの型が大きく変異した株が感染することで生じる「新型インフルエンザウイルス感染症」が流行した2012年の時は、ワクチン接種を受けているお子様でも重症化する小児患者が多く見られました。インフルエンザウイルスの流行は、またいずれ必ず起きてくると思います。ここ数年の感染の激減により、日本では自然免疫による抗体獲得の機会が失われており、定期的なインフルエンザ予防接種の継続は、感染に対する免疫を維持する意味でもとても重要な機会と考えられます。
今後も流行期は予防接種は受けて頂く事を当院では勧めております。